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1997 Vol.2
●プロローグ
映画『ID4』(インデペンデンス・デイ)では、宇宙人を惑星から惑星に渡って資源を食い尽くす“イナゴ”だっつう事で、とにかく宇宙人をぶっ殺しまくっちまうという内容で、アメリカ“バカ映画”炸裂ってな調子だったけど、資源が無くなれば次の場所に移動するというイナゴ的なものは、実は『ID4』の宇宙人ではなく、『多国籍企業』だと俺様は映画の後、ふと思ったんだ。多国籍企業の性質っていうのは、ホーント、イナゴ的なんだよね。
つまり、現在の環境破壊に対して、多国籍企業は多大な貢献をしている訳なんだけど、彼らが有限な資源や、再生不可能なエネルギーを経済的利益の為だけに食い尽くしている限り、人類や様々な生物に未来はないってわけだ。ところが俺達はコマーシャリズムに従順なおかげで、さわやかなマクドナルドのCMを見てハンバーガーを買わされるハメに陥っている。ハンバーガーを食べる人達は、CMのさわやかさだけを信じ、自分自身が悪に加担しているとは夢にも思わないだろう。
●マフィン
ハンバーガーに使われているバンは、『マフィン』と呼ばれていて、このマフィンは小麦やトウモロコシから出来ているんだけど、昔の農夫がクワ1本でこれらの作物を作ると、農夫が1カロリー消費するごとに10カロリーの作物を作る事ができたんだ。ところが近代の化学農法では、270カロリーのトウモロコシの缶詰を作るのに、2790カロリーものエネルギーを消費する。これらは農業機械を動かすエネルギーと、合成化学肥料及び農薬にかかわるエネルギーで占められている。
とてもじゃないけど自分の口の中には入れたくないこの農薬なんだけど、実は農薬が作物にふりかかるのは、たったの10%で、残りの90%は土中や水中に四散したり、風でどっかに運ばれたりしているらしいんだ。
この農薬は水資源を汚染していて、全米科学アカデミーでは、「殺菌剤の90%、除草剤の60%、殺虫剤の30%に発ガン性があると考えられる」と警告している。このように多量のエネルギーを使って作られた小麦やトウモロコシは、再生不可能なエネルギーであるガソリンで駆動されるトラックで、大型集中製パン工場に運ばれ、工場でマフィンの精製、強化、焼き上げ、包装を行うんだけど、工場ではマフィンを製粉して漂白するので、“真っ白な”パンができあがり、小麦の持つ大事な栄養素が失われしまうので、ニコチン酸、鉄分、チアミン(ビタミンB1)、リボフラミン(ビタミンB2)を加えて強化する。そして長距離トラック輸送で販売店に運ばれ、
何日も保存される事を考えて、保存料としてプロピオン酸カルシウムを加え、それと生地調整剤として硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸アンモニウム、イースト菌、臭化カリウム、ヨウ化カリウムなどを添加する。
こうしてパンを焼き、ボール箱に納めるんだけど、このボール箱がカラーの多色刷りとなっている。更にマフィンの入った紙箱をビニール袋(石油化学製品で作られている)に包み、包装したマフィンをエアコンがきいたトラックで電気をジャンジャン使ってハデな看板で宣伝しながらお客さんの目をひく販売店に運ばれる。これだけ大げさな過程を経てできたモノは何かと言うと、1個あたりたった130カロリーのマフィンなんだよ。(フーっ、ちょっと一息つかせてくれ)
これらの全過程の為に何万というエネルギーが消費されただけでなく、医学的な面でも重大な問題が引き起こされている。言わなくても分かると思うけど、パンを作る過程で様々な添加物が加えられ、繊維質がほとんどなくなっている為に、人体に重大な障害を及ぼす可能性があるからだ。更に、これ又再生不可能なガソリンを燃やしながら自家用自動車でやって来たお客さん達が(それはあなたかもしれない)、マフィンを使ったハンバーガーを買い、ハンバーガーの入った紙袋やビニール袋をポイっと捨ててしまうので、これが固形廃棄物となるので処理する必要も生まれ、エネルギーが消費される。
ようするに我々はとんでもなくエネルギーを消費していて、しかもそのエネルギーが“有限”だとは夢にも思わず脳天気なところがやばいところなのだ。つまり現代の高エネルギー環境に依存し続けるのは、望みではなく幻想だとしっかり自覚する必要があるのだ。それは好むと好まざるとに関わらず、将来、我々の一生よりも短い間に、この自覚を強要される可能性が非常に高いと俺様は予想しているからで、景気回復なんて事を望んでいると、アクセントが頭につく程、“かなり”やばいと思うよ。なぜならば景気が回復すれば、当然ながらエネルギー消費は上昇し、自然界の無秩序が増大し、人類の将来が奪われる時期がより早まるからなんだ。
筆者注:これを書いた当時、筆者はハンバーガーに使われているパンをマフィンと勘違いしており、ハンバーガーに使われているパンは、“バンズ”が正解である。
“マフィン”とは、小麦粉、トウモロコシ粉などで作られた円形のパンの事で、バンズとは区別するべきだった事をお詫びしたい。(2001,4,12)
●ミート
ベジタリアンのやまちゃんが、ハンバーガーの“肉”から書かずに、パンから書いたところが意表をついたでしょ? でも本当は“肉”に関する事を書くのを考えると、キーボードを打つ手もひるんでしまうんだ。でも、まぁ本当は肉に関しての方が詳しいから、いっちょ肉についてでも書くか!
ハンバーガーに使われている主な肉は牛肉だけど、これは文字通りウシさんの肉で、現在このウシさん達が環境に及ぼす影響は、メジャーな環境破壊(オゾン層破壊とか)に対して活動を行っている人達が驚く程、根が深く深刻な問題になっているんだ。普通の人でも、環境破壊が話題にのぼれば、まずオゾン層破壊とか、森林破壊なんて事を思い浮かべると思うけど、あんまり言う人がいないけど、ウシさんが環境に及ぼす影響の方が大問題なのだ!
現在、ウシさんは全世界に13億頭いて、これは人間4人につき1頭の割合で、ウシの体重の合計は、人間の体重の合計を上回っているんだ。このウシ達は、地球上の陸地面積の4分の1で草をムシャムシャ食べていて、人類の5人に1人が栄養失調で苦しむ現在、穀物総生産の3分の1をウシさん達は食べちゃっているんだ。ウシの放牧地と飼料穀物の栽培は、森林破壊、砂漠化、淡水資源の圧迫、地球温暖化などの主要な原因になっていて、世界経済と地球環境に、これ程大きな影響を与えている存在は他にはいないのだ。どうだい? 驚いただろう。
世の中の人達は、“菜食主義”というと、まず“宗教”もしくは“動物愛護”を連想するようだけど、実は俺様の提唱する“菜食主義”は、地球の健康を守り、人類の公平で人道的な食料配分を行う為の、政治的経済的に必要な人類の決断だという事を知ってもらいたいんだ。
いつか日曜の朝に、NHKの子供向けの番組で、肉を作るのに8倍ものトウモロコシを使っていて、肉を食べる人が1人いると、7人の人が何も食べられなくなっちゃうと解説していて面白かったけど、「だから肉を食べる時には感謝して食べよう」とおとしていて、「おっと食べるんかい!」と思わずつっこんじゃったけど、まさにこれが菜食主義の理由で、肉食というのは、穀物だけ食べているのの、約10倍の穀物を消費する事になり、これにより飢えた人達は食べ物が手に入らないという図式が出来上がってしまうんだ。
もうちょっと詳しく説明すると、ブラジルとかメキシコなんかの南米では、私有牧場化によって巨額の利益を得る企業地主が、銃と札束で先住民の土地を強奪しているんだ。ブラジルでは現在、国内食料生産の約4割が家畜の飼料に回されていて、貧困層の人達は、食肉輸出用の牛を太らせる為に食べ物を口にできないんだ。
南米では1エーカーの土地からトウモロコシは540キログラム以上収穫があるのに、牛肉にすると23キログラム弱しかとれないんだ。しかも、生産された肉の大部分はアメリカ、ヨーロッパ、そして日本に輸出され、世界の主要食肉生産国のメキシコでも、農民の3分の1は一生に一度も牛肉を食べる事はないんだ。これらの肉は誰が食べるかというと、裕福な先進国に住む人々と、その人達に飼われている“ペット”なんだよ。
「牛が人を食う」これは南米に住む人々がよく口にするセリフらしいんだけど、南米大陸が巨大な肉牛牧場と化して、地球の食物連鎖の頂点に近い食生活を好む欧米人と日本人の胃袋を満たしているんだ。
現在の全世界の穀物総生産は、60億人の人達を養っていけるのだけど、第3世界の人達が飢えで困っているのは、まさに先進国の肉食に原因があるのだよ。なぜこんな事になっちゃったのかというと、いわゆる農業大国と呼ばれる国は、自国の余剰農産物を、飢えた人達がたくさんいる貧乏な国にタダであげるなんて事は絶対にせず、なんとかして金持ってる国に売りつけようと考えた訳だ。ところが、どんなに金持ちを太らせても、1人が食べられる胃袋の大きさには限界があるので、彼らは穀物を圧縮するという方法を思いついたのさ。ようするに、例え限界のある胃袋でも、“肉食”という食習慣に火を付ければ、約10倍もの穀物を売りつける事に成功する訳だ。ところがその為には肉食を肯定する理論が必要な訳で、約200年前にドイツで生まれた栄養学がそれに利用されたのだ。言っとくけど、数千年の歴史を誇る人類の穀物菜食の歴史から見れば、たかだか200年の歴史しか持たない栄養学の教えなど、子供のたわごとなのよ。
よく俺様が「菜食主義者です」というと、栄養学にぞっこん惚れ込んでいるバンピーの皆さんは、「タンパク質はどうするんだ?」と聞くけど、これは正食の世界では、“タンパク質神話”と呼んでいて、ハッキリ言って嘲笑の対象でしかないんだよ。疑う人には聞きたいけど、それこそ草ばっかり食べているウシさんは、草しか食べなくても何百キロもの立派な体を作るでしょ。彼らは肉食わずにどうやってあの立派な体、つまりタンパク質を作っている訳? もっと俺達に近い動物で話そうか、例えばゴリラさんなんかは、握力が200キロもある立派な筋肉を持ってるけど、こいつらなんかリンゴとかバナナとか果物しか食べないんだぜ。ようするに「人間の体はタンパク質でてきているからタンパク質が必要だ」というお決まりのセリフは、幼稚な割には説得力があるのだけど、よ〜く中身を吟味すると、それが肉を売りさばく為の単なるたわごとだという事がバレバレなのよ。人間の体というのは、そんなに単純な構造ではなく、体の内部は、口に入れた物を全然違う物に変えてしまう、原子転換装置なんだよ。例えばオシッコにはアンモニアが含まれているよね、でも人間が口にする物でアンモニアの成分を含む物なんてないんだよ。つまり、食べた物を体の中でアンモニアに変えてしまっている訳で、人間の体の中は複雑で未知なものなのよ。
俺様に言わせれば、「タンパク質が必要だから、仕方なく肉も食べている」って人は、「おめでてー野郎だよな」ってな感じな訳よ、そんな人は飲尿健康法とかもやったら、アンモニアも取り入れられて完璧なんじゃーねーの? よく分かんねーけど、俺様は食べ物に関しては、勉強しすぎで何言ってんだか分かんねー共産党みたいな栄養学の教えなんかよりも、伝統的な知恵に頼りたいね。この場合の伝統的な知恵っつうのは、伝統を重んじ、知恵(栄養学)を軽んずるという意味だぜベイベー。
大体“よめて”きたかな? ようするに我々一般ピープルは、コマーシャリズムに従順なおかげで、見事に多国籍企業の経営戦略にはまり、肉を食べさせられている訳だけど、不幸なのは第3世界の飢えで苦しむ人達だけでなく、本来人類は肉食ができないのに、無理やり肉を食べさせられた先進国の人達にも不幸は襲っているのだよ。多くの人達が充分に穀物が手に入らない為に飢えで死ぬ中、先進国の人達は穀物で飼育された家畜の肉(特に牛肉)の食べ過ぎによる病気が原因で死亡しているんだ。欧米人、そして我々日本人は穀物で飼育されたウシの肉を多食して、脳卒中、心臓病、ガンといった“飽食病”にかかって死んでいく。この先進国の“肉食”という習慣は、環境、経済、人間の健康に途方もない弊害をもたらしているのに、この事が政策立案者の間で討議される事はほとんどないし、我々一般の人達もそんな事は知ったこっちゃない。ウシが地球の生態系と人類の存続に大きな影響を及ぼしているのに、誰もそんな事は認識していない。ところがウシさん達の存在は、地球の将来における最大の脅威になっているのだよ。
●ピラミッド
どうだい? うさんくさい宗教家や、それにはまっちゃっている頭の弱そうな信者、もしくは、動物ぶっ殺すと、とっても可愛そうだってな感じの“動物愛護の精神”と、“菜食主義”のイメージがオーバーラップしていた人は、ちょっと考え直す必要があるよ。誤解してもらいたくないのは、俺様も歴史上のメジャーな宗教家や中国の賢人なんかの教えは素直に聞き入れるつもりだし、自分自身で動物ぶっ殺して食べるなんて到底できないし、お皿にのってる肉料理が視界に入るだけで、人間の手足がのっかってるような気分の悪さを覚える人間なんだけど、俺様が普通の人達に提唱する菜食主義は、もっとロジカル(論理的)に、「人類は食物連鎖の低い段階に位置する食べ物を食べるべきだ」という考えがベースになっているんだ。
それじゃあ、タイラー・ミラーさんという化学者の設定した食物連鎖の例をちょっと挙げてみようか。ミラーさんによれば、「1人の人間を1年間養うには、マスが300匹必要となる。こうした順序でいくと、300匹のマスはカエルを9万匹、9万匹のカエルはバッタを2700万匹、そして2700万匹のバッタは草を1000トン食べる」事になるんだとさ。
以前、飲んでる席で、むかつく野郎が俺様に、「動物の命も植物の命も同じで、植物だけ食べるというのはエゴだ」と言った事があったけど、命の重さをダシにするつもりは俺様にはないよ。もっとロジカルに全地球規模的に、人類と他の生物の為に、人間は食物連鎖の低い段階に位置する食べ物を食べるべきだと訴えたいんだ。難しいけど物理学的に説明しようか。植物は光合成により太陽エネルギーを取り入れている訳だけど、地球上のエネルギーは全てこの太陽エネルギーによって作られているんだ。専門的にはソフト・エネルギー・パスというんだけど、この植物を動物が食べれば、動物は体温という形でこのエネルギーを消費してしまい、この“温度”というエネルギーは絶対に再生不可能で、これを熱力学の第2法則、俗にエントロピーの法則と言ってるんだ。こうして、上記のバッタが草を、カエルがバッタを、そしてマスがカエルを食べると、その過程でエネルギーの損失がみられ、ミラーさんによれば、「その過程でエネルギーの80〜90%が、単に浪費されるばかりで、環境に対する熱として奪われてしまう」という事になるのだ。従ってミラーさんの例で言えば、人間1人を1年間維持する為には草1000トン分のエネルギーが必要となり、エネルギーに余裕のない世の中になれば、より無駄なくエネルギーを消費する生物が生き残るというのが、とっても簡単な論理な訳よ。
●ちゃんとちゃんと
エネルギーの話で思い出したけど、ハンバーガーの話に戻ろうか。ハンバーガーはとにかくエネルギーのかたまりみたいなもんで、最高にバカげた食品なわけよ。大体こんな物を安くて美味しいといって食べて、結局は人類の健康リスクが上昇して、病気になる人が増えれば、健康保険料や医療費にお金を払い高い買い物になっちゃってる訳で、食べる人はもっとよく考えた方がいいよ。それに正食の世界では、悪名高い日本マクドナルド社長の藤田田(ふじたでん)は、自らユダヤ商法を賛美する守銭奴で、「我々のハンパーガーを食べれば、日本人はこれが本物のハンバーガーだと思うだろう」とか、「もし日本人がハンバーガーを千年も食べづければ、金髪になるだろう。そして金髪になった時には、世界を征服できるだろう」なんて、とんでもねー事ほざくおっさんなんだよ。つまり自分の所のハンバーガーはフェイク物(ニセモノ)と決め付けた上で、日本人の将来の事なんか何にも考えちゃいない訳だ。どうだい? さわやかなマックのイメージが崩れたかい? 崩れついでにさわやかなCMの“味の素”も、全世界の人達の健康を“ちゃんとちゃんと”破壊している極○企業だから気をつけてね。
もし、これを読む人の中に、「それでもハンバーガーが食べたい!」という人がいたら、オーライ別に食べてもいいんだよ。なんてったって皆さんには“食べる権利”があるんだからね。何の法律にも触れないんだから、バクバク食べればいいんだよ。でも捨てゼリフ的に言っとくけど、食べる時には次の事を思い出してね。例えば中南米で飼育された肉牛から100グラムのハンバーガーを1個作ると、およそ75キロのジャングルが破壊され、その土地は砂漠化する事になるんだよ。この75キロの破壊とは、20〜30種の植物、おそらくは100種ほどの昆虫類、そして何十種類もの鳥類、哺乳類、爬虫類を含む生物が死ぬ事を意味するワケよ。いいかい、100グラムのハンバーガーを食べると、75キロの生物をあんたはぶっ殺す事になるんだよ。1年間にこのハンバーガーを100個食べれば、あんたは7.5トンの生物をぶっ殺し、しかもそれらの生物が生息していたジャングルは、元の姿に戻る可能性がほとんどなくなるんだぜ。さあ召し上がれ!
●cold evil
ウシは現在、全世界の穀物生産の3分の1を食べてるんだけど、その一方では10億人もの人達が慢性的な飢えに苦しんでいるんだ。そして欧米人と日本人は食物連鎖の頂上に陣取って、霜降り牛肉を食べ、動物性脂肪を多量に摂取して生活習慣病で死んでいく。第3世界の人々は、ウシの放牧地を作る為に先祖伝来の土地を離れる事を余儀なくされ、都市周辺に入ってバラック小屋を作り、廃品をあさって毎日をしのいでいる。常に空腹な彼らは様々な病気で死んでいく。これらの国では生まれた子供の10人に1人が1歳の誕生日を迎える前に死亡する。残った子供達も、残りの人生は死を待つだけのものになる事が多い。
近代畜牛複合社会を作り出した多国籍企業は、歴史上、もっとも不公平な食料生産と分配パターンを作り出してきたのに、これを罰する事はできない。なぜならば、道徳的規範は、現在でも個人的な悪行に向けられているからで、人々は、殺人や窃盗など、個人的な悪行は批難するが、この場合の悪は明白であり、具体的であり、直接的であり、その罪を理解する事ができる。しかし、それよりもはるかに恐ろしい悪、つまり構造的に正当化された暴力に対しては、法は何の効力も持たない。一体、功利主義、市場効率から生まれる悪は誰が裁くのか? 俺様にも分からない。これは近代社会が生み出した新しいタイプの悪、すなわちcold evil(見えざる悪)だからだ。
1997,2,10 ベジタリアンのやまちゃん